最終兵器!?多嚢胞性卵巣症候群には腹腔鏡下卵巣多孔術!!

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不妊
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20代〜40代の女性、100人中5人くらいの人が発症し、増加傾向にある「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」ですが、はっきりとした原因は未だわかっていません。

そのため、治療は排卵誘発剤や肥満の改善などの対症療法が中心となりますが、それでも排卵が起こらないときに外科的治療が行われることがあります。

今回は、多嚢胞性卵巣症候群に対する外科的治療「腹腔鏡下卵巣多孔術」についてお伝えしていきます。

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腹腔鏡下卵巣多孔術ーLOD:Laparoscopic Ovarian Drillingー

腹腔鏡下卵巣多孔術とは、腹部に3ヶ所の穴を開けて腹腔内にカメラを入れ、卵巣の表面にレーザーあるいは電気メスで複数の小さな穴を開けて排卵を促すという手術で、「卵巣ドリリング法」「腹腔鏡下卵巣焼灼術」とも呼ばれます。

1970年代に卵巣楔状切除術(OWR)という開腹手術に変わって導入が始まりました。

卵巣楔状切除術(OWR)

多嚢胞性卵巣症候群の外科的治療は以前、卵巣楔状切除術(OWR)という卵巣を一部切り取る開腹手術が主流で行われていました。

しかし、術後侵襲が大きいことに加えて、腹腔内の癒着が頻発して卵管性不妊を続発するリスクが非常に高かったことや卵巣を切り取ることで卵細胞が減少し、閉経が早まるなどの理由から行われなくなりました。

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腹腔鏡下卵巣多孔術の特徴

腹腔鏡下卵巣多孔術の長所

多嚢胞性卵巣の状態になると、卵巣の表面が固くなって排卵が起こりにくくなります。

手術によって卵巣の表面に穴を開けると卵膜が破れやすくなり、実に70%以上の確立で自然に排卵できるようになります。

また、卵巣の表面に穴を開けることで、男性ホルモンであるアンドロゲンの生産を低下させることができるようになるので、LH(黄体形成ホルモン)の分泌が抑えられ、FSH(卵胞刺激ホルモン)とのバランスが整い、排卵周期が回復します。

排卵誘発剤が必要な場合もありますが、感受性が良くなるので排卵しやすい状態になります。

必要以上に排卵誘発剤を使うことがなるので、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発症が抑えられたり、多胎妊娠の確率を少なくする効果もあります。

腹腔鏡下の手術なので子宮筋腫や子宮内膜症、卵管の癒着、卵巣の状態などが直接確認でき、癒着を剥離するなどの治療も同時に行うことができます。

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腹腔鏡下卵巣多孔術の短所

作用機序が不明瞭なこともあり、効果も個人差が大きいです。

卵巣が回復するにつれて穴は塞がるので手術の効果は半年~1年、長くても1年半ほどでなくなってしまうと言われています。

再び手術を受けるという選択肢もなくはありませんが、開腹手術ほどでなくとも侵襲や癒着などのリスクはありますし、費用面や精神面などの負担を考えるとお勧めはできません。

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治療にかかるお金

腹腔鏡下卵巣多孔術は健康保険が適用されますので医療費は3割負担になります。

数日ですが入院することになりますし、手術扱いになりますので「高額療養費制度」の対象になる場合もあります。

お仕事をお休みしている間は「傷病手当金」がもらえる制度がありますし、医療保険に加入していれば保険金ももらえる可能性もあります。

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おわりに

多嚢胞性卵巣症候群と診断され、長いこと対症療法を行っている方は実際に手術を勧められたり、検討したことがあるかもしれません。

でも、手術と聞くと大なり小なり心配なことがあるでしょうから、その一歩を踏み切る決断が難しいかもしれません。

しかし、腹腔鏡下卵巣多孔術は比較的低侵襲で行うことができ、術後の妊娠率も良いものです。

多嚢胞性卵巣症候群は放置してしまうと、どんどん排卵コントロールが難しくなってしまいますので、治療が長期間に渡っている場合は是非手術も視野に入れてみてください。