子宮頸癌や子宮頸部高度異形成と診断され、手術しなければいけなくなると「もしかして子宮を切除するの?」「妊娠できないの?」ととても不安になりますよね。
子宮頸癌に対する手術はいくつかあるのですが、その中でも「子宮頸部円錐切除術」という手術は、子宮を温存することができるので妊娠・出産が可能になります。
妊娠を希望している若い女性にとっては頼みの綱ともいえる手術ですが、手術の後遺症によって流産や早産といったリスクを伴うことになります。
今回は、私も経験した子宮が温存できる「子宮頸部円錐切除術」についてお伝えしていきたいと思います。
子宮頸部円錐切除術
子宮頸部円錐切除術とは、子宮頸部の病変を円錐状に切除することにより、切除範囲を最低限にして、子宮を温存する手術になります。
開腹手術ではなく膣式に行なわれる手術で、膣から手術器具を入れて、病変がある子宮頸部を円錐状に切り取ります。
通常のメスを用いることもありますが、最近ではレーザーメスや電気メスの一種である高周波電流を用いた超音波メスなどを使って切除することが多くなっています。
手術は局部麻酔でもできますが、脊椎麻酔や全身麻酔で行うことが多いです。
手術自体は10分~30分ほどで終わりますが、消毒→麻酔→手術→片付けと一連の作業があるので、手術室から出られるのは1時間前後かかるでしょう。
全ての方が対象ではない
子宮頸部円錐切除術が選択できるのは、高度異形成から0期 上皮内癌までの方、Ⅰ期の中でも癌が浅いⅠa1期の方が対象になります。
同じⅠ期であってもⅠa2期以上の方は、基本的には子宮頸部円錐切除術は行われません。

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目的は診断の確定、そして治療
子宮頸部円錐切除術は、切除した病変を病理検査することにより確定診断すること、実際にどの程度の治療が必要であるのかを明らかにすることを目的に行われます。
手術によって病変の取り残しがなければ追加の治療は不要となり、治療も兼ねることになります。
取り残しがあったり、思ったよりも進行した癌であった場合には追加治療が必要となることもあります。